10月9日(月)
バイエルンの海といわれるキーム湖は、80平方km最大深72mの湖で10の市や町が取り囲んでいる。流入は市民の排水とオーストリアからアヘ川が流入し、2本の川が流出しドナウから黒海へと流れていくとのことである。一年で全ての水が入れ替わる勘定らしい。 さて、琵琶湖でも石鹸運動があった頃?、キーム湖では30年前に湖の汚染が進み水泳禁止になる事態となり、ドイツ統一の1989年に周辺10市が話しあって管路総延長90km40ステーション、約30億円、放水管5kmの環キーム湖広域下水道計画を実行されました。 このプランの特徴は、湖の中に汚水の集水管を沈めていることです。ポリエチレンパイプの製造機械を湖畔に設置し、2kmとか1.5kmとステーションを繋ぐ一本の管を現場で造り、浮かべて工事し、水を入れ重りをつけて沈める方法で大幅な工事費用の削減と期間短縮、つなぎ目がないので維持のしやすい(1989以来トラブルなし)下水道を完成させられたのです。汚泥は今のところミュンヘンで燃やしているそうです。 湖の環境改善は、観光客を呼び寄せるとともに、この事業をきっかけに周辺市の自治の場ももたらし、各市代表2名を出し4ヶ月毎に会議をもっているとのことです。15万ユーロまでは連盟市長会で判断でき、それ以上は連盟議会で判断する決まりです。 また、今日的な環境問題の積極的な受け皿にもなっておりキームゼー・アジェンダ21により、エネルギー、交通、経済、下水処理の4つのテーマに力を入れている。積極的な環境政策にはEUから予算がつくこともあると説明されたが、基本的には日本のような補助金制度はなく、殆ど自前で事業を進めていることが、シンプルで的確規模で手の届く予算規模の事業を導いたのだと感じました。現在、事務方は4名、技術方は12名(マイスター含む)の体制で維持しておられます。最近では湖周辺の蚊対策に60万ユーロ支出したとか。
by hi-kaito
| 2006-10-16 12:53
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