ただ今、高島市今津の伊井・酒波地区に犬の多頭飼育の話が持ち込まれ、静かな生活環境を守るために地元住民が結束して交渉されています。ここに高島市長は市民を代表し、市も議会も地元と一体になって、美しく静かな郷土を守っていくために立ち上がる決意を表明します。
さて、どんなに犬を愛する方でも、60匹から百匹もの犬を防音・汚水処理の設備をすることなく50mの隣接地に持ち込むという話は受け入れ難いことではないでしょうか。 赤ちゃんもいます。お年寄りもいます。隣接集落には100世帯が静かに暮らしてきたのです。更に今回は病気に感染し、完治の確認が難しい犬だといいます。ある獣医さんは、「専門家が10匹の病気の犬の世話に大変な苦労をしているのに、そんなに多数の病気に罹った犬を素人が看られるとは思えない」と仰っており、大変無理のある計画だと云わざる得ません。 高島市は奥山、里山、琵琶湖の自然が繋がる街として知られ、全国の景観百選も11箇所あるなど、人と自然が寄り添って暮らす地域です。井戸水を生活に使い、有機無農薬栽培を営む上流で、薬品や消毒液、そして病気の犬の糞尿も含め汚水を地下浸透するとの話は、自然の繋がりを知る者として受け入れがたい話であり、全ての生命を尊重する常識では考えられないことです。これは近畿1400万人の水源への冒涜でもあり、強行は許されるものではありません。 今回の犬の病気は、サルやネズミなどを介し、ダニにより他の動物や人間にも感染することが懸念されるもので、裏山に棲息するニホンカモシカなどの野生動物や、ラムサール条約に登録された琵琶湖を住処とする水鳥などへの感染も心配されます。私たち自然の近くに住む者は、地球的財産である野生の動植物の健康を守る使命があると考えます。 しかしイヌやネコは規制する法令が無いと県や保健所は仰います。日本は公害裁判などでも被害者が被害を立証するまで加害行為は止められませんでした。そのことが被害を大きくしたのです。先進国では、行為者が安全を立証する責務があると聞きます。この国には「人に迷惑をかけてはいけない。自然を壊してはならない」という不文律(文化)があったのに、個人の身勝手(私権の乱用)まで権利にしてしまったのでしょうか。私達は、被害者になる前に、団結して生活を守る権利があると思います。 10月1日には「未来へ誇れる環境保全条例」が施行日を迎え、市民、事業者、行政は夫々が高い規範を実行する責務が強化されました。そして動植物の生態系を守っていく責務も謳い込まれています。高島の自然は、市民だけのものでなく、ここで生まれた水を飲む人たちや、未来世代も含む善良な人々共有の財産であると考えており、訪れる皆さんにも高島の自然を享受する権利を保障し、一緒に守っていきたいと考えています。 高島市に加えられようとしている理不尽な行為に対し、それを止めるよう多くの皆さんのご理解とご支援を切望します。また、当該団体を寄付金やボランティアで応援なさっている方々も、事の本質を見抜かれ、高島市民の生活と生態系の破壊をしないよう力をお貸しください。 2007年10月2日 高島市長 海 東 英 和
by hi-kaito
| 2007-10-02 19:20
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